小児の予防接種

小児の定期接種について

定期接種(A類疾病)は、予防接種法に基づき、本人(保護者)に接種を受ける努力義務があるワクチンです。現在は、四種混合(DPT-IPV)、B型肝炎、Hib感染症、小児の肺炎球菌感染症、結核(BCG)、麻疹・風疹、水痘、日本脳炎、ヒトパピローマウイルス(HPV)感染症、ロタウイルスが、これに該当します。これらは「A類疾病」と呼ばれ、主に集団予防、重篤な疾患の予防が目的です。お住まいの市町村内で受ける場合、公費で接種が受けられます。なお、今後も対象が増えていく可能性がありますので、随時、情報を発信いたします。

小児の任意接種について

任意接種は、予防接種法に基づく定期接種以外のワクチンで、例えば、以下が想定されます。(出典:厚生労働省HP内、予防接種情報より)

  • 個人が感染症に罹患したり、重症になるのを防ぐために受ける予防接種(例:季節性インフルエンザ、流行性耳下腺炎)
  • 海外渡航の際に、渡航先によって、接種することが望ましい予防接種(A型肝炎、髄膜炎菌、狂犬病、黄熱、等)
  • 何らかの理由で、定期接種を受けることができなかった方が、対象年齢以外で受ける予防接種
  • 免疫の弱い方に接する機会がある方などが、周囲の方の感染を防ぐために受ける予防接種

接種費用は自己負担ですが、取手市では季節性インフルエンザと流行性耳下腺炎に対して補助があります(注意:定期接種のように全額補助ではありません)
詳細はこちら

ワクチンの詳しい内容については、日本小児科学会の「知っておきたいわくちん情報」をご参照ください。院内にも印刷物をご用意しております。

小児の定期接種

生後半年まで

ワクチンの種類 予防できる主な感染症 定期接種が推奨されている期間と回数
ロタウイルスワクチン
【生ワクチン】1価(ロタリックス)もしくは5価(ロタテック)のどちらかを選択
【注意】当院ではロタウイルスワクチン5価(ロタテック)を常備しておりません。ご希望の際は、発注して対応します。
感染性胃腸炎 生後6週から接種可能(接種の推奨は生後8週より)です。1価は計2回(生後24週までに接種を終了)、5価は計3回(生後32週までに接種を終了)を接種します。
B型肝炎ワクチン
【不活化ワクチン】
B型肝炎 生後2~3か月の間に2回、7~8か月の間に1回の、計3回を接種します。
【注意】3回目は、1回目から20週以上あける必要があります。
ヒブワクチン(Hib)
【不活化ワクチン】
インフルエンザ桿菌による感染症(細菌性髄膜炎 など) 生後2~4か月の間に3回、生後12~17か月の間に1回の、計4回の接種です。
小児用肺炎球菌ワクチン
【不活化ワクチン】
肺炎球菌による感染症(細菌性髄膜炎 など) 生後2~4か月の間に3回、生後12~15か月の間に1回の、計4回の接種になります。
四種混合(DPT-IPV)ワクチン
【不活化ワクチン】
ジフテリア、百日咳、破傷風、ポリオ 生後2か月~4か月の間に3回、生後12か月~23か月の間に1回の、計4回を接種します。
BCGワクチン
【生ワクチン】
結核、特に乳幼児期の結核性結膜炎 生後5か月~7か月の間に接種します(1回)。

1歳から小学生まで

ワクチンの種類 予防できる主な感染症 定期接種が推奨されている期間と回数
MR(麻疹・風疹混合)ワクチン
【生ワクチン】
麻疹(はしか)、風疹 1歳の間に1回、5~6歳(小学校就学前)の間に1回の、計2回を接種します。
水痘ワクチン
【生ワクチン】
水痘(水ぼうそう) 1歳~1歳3か月の間に1回、1回目の接種から半年~1年程度の間隔を空けて1回の、計2回を接種します。
日本脳炎ワクチン
【不活化ワクチン】
日本脳炎 3歳の間に2回、さらに2回目から1年程度の間隔を空けて1回、その後9~13歳未満の間に1回の計4回の接種が必要です。
二種混合ワクチン
【不活化ワクチン】
ジフテリア、破傷風 11~12歳の間に接種します(1回)。

小学生から高校生まで

ワクチンの種類 予防できる主な感染症 定期接種が推奨されている期間と回数
HPV(ヒトパピローマウイルス)ワクチン9価;シルガード9
【不活化ワクチン】
子宮頸がん、尖圭コンジローマ
9歳以上(11歳~16歳が定期接種)の女児が対象です。対象年齢外の方も、取手市のキャッチアップスケジュールに該当すれば、定期接種として接種できます。
●初回接種が15歳未満の場合
(1)2回接種:初回から5か月以上(標準的には6か月)あけて2回目を接種します。
(2)3回接種:初回から1~4か月(標準的には2か月)あけて2回目を、2回目から3か月以上(標準的には4か月)あけて3回目を接種します。
【注意】2回接種でも3回接種でも効果に違いがないことが分かっておりますので、当院では2回接種をお勧めしています。
参考:厚生労働省HP
●初回接種が15歳以上の場合
(1)2回接種:実施しておりません。
(2)3回接種:初回から1か月以上(標準的には2か月)あけて2回目、2回目から3か月以上(標準的には4か月)あけて3回目を接種します。
HPV(ヒトパピローマウイルス)ワクチン4価;ガーダシル
【不活化ワクチン】
子宮頸がん、肛門がん、尖圭コンジローマ 9歳以上(11歳~16歳が定期接種)の女児および男児が対象です。男児は任意接種となります。対象年齢外の方も、取手市のキャッチアップスケジュールに該当すれば、定期接種として接種できます。
●初回から1か月以上(標準的には2か月)あけて2回目、2回目から3か月以上(標準的には4か月)あけて3回目を接種します。
HPV(ヒトパピローマウイルス)ワクチン2価;サーバリックス
【不活化ワクチン】
【注意】当院ではHPVワクチン2価(サ―バリックス)を常備しておりません。ご希望の際は、発注して対応します。
子宮頸がん 10歳以上(11歳~16歳が定期接種)の女児が対象です。対象年齢外の方も、取手市のキャッチアップスケジュールに該当すれば、定期接種として接種できます。
●初回から1か月以上(標準的には1か月)あけて2回目、2回目から2.5か月以上(標準的には5か月)かつ1回目から5か月以上あけて3回目を接種します。

小児の任意接種

小児の任意接種

ワクチンの種類 予防できる主な病気 接種の推奨期間と回数
おたふくかぜワクチン 【生ワクチン】 おたふくかぜ 1歳から接種できます。その後、2~6年後に2回目を接種します。1回目、2回目とも、MRワクチンとの同時接種がお勧めです。
インフルエンザワクチン 【不活化ワクチン】 インフルエンザ 生後6か月から接種できます。13歳未満は、2~4週間あけて毎年2回接種します。13歳以上は通常1回接種ですが、2回接種することもできます(入荷量によっては、ご遠慮いただくこともあります)。
A型肝炎ワクチン
【不活化ワクチン】
A型肝炎
●特に発展途上国に旅行/長期滞在の際は、接種が強く推奨されます。
1歳から接種できます。1回目の接種後に2~4週間の間隔を空けて2回目、その約半年後に3回目を接種します。
三種混合ワクチン
【不活化ワクチン】
ジフテリア、百日咳、破傷風 小学校入学前の、5~6歳の間に、百日咳の感染予防目的として同ワクチンを接種することが推奨されています。また11~12歳の間に、二種混合ワクチンの代わりに三種混合ワクチンを接種することが推奨されています。
ポリオワクチン
【不活化ワクチン】
ポリオ(小児まひ、急性灰白髄炎) 小学校入学前の、5~6歳の間に接種することが推奨されています。当院では、三種混合ワクチンとの同時接種をお勧めしています。
HPV(ヒトパピローマウイルス)ワクチン4価;ガーダシル
【不活化ワクチン】
子宮頸がん、肛門がん、尖圭コンジローマ 9歳以上の男児が対象です。女児は定期接種となります。
初回から1か月以上(標準的には2か月)あけて2回目、2回目から3か月以上(標準的には4か月)あけて3回目を接種します。

成人の予防接種

制度上、大きく定期接種と任意接種に分けられます。

成人の定期接種について

定期接種(B類疾病)は、個人予防に重点が置かれているワクチンです。現在は、予防接種法「B類疾病」の季節性インフルエンザ、高齢者の肺炎球菌感染症が該当します。
当院での接種をご希望の方は、あらかじめ主治医とご相談ください。
接種される場合は、取手市の助成制度がありますので、事前にご確認をお願いいたします。

成人の任意接種について

任意接種は、予防接種法に基づく定期接種以外のワクチンで、定期接種に該当しない方の季節性インフルエンザ、帯状疱疹等が対象となります。

成人の定期接種

成人の定期接種

ワクチンの種類 予防できる主な病気 接種の推奨期間と回数
インフルエンザワクチン
【不活化ワクチン】
インフルエンザ インフルエンザにかかると重症化しやすく、特に接種の意義が大きい以下の方は、定期予防接種の対象となっています。
(1)65歳以上の方。
(2)60~64歳で、心臓や腎臓、呼吸器の機能に障害があり、身の回りの生活を極度に制限される方。
(3)60~64歳で、ヒト免疫不全ウイルスによる免疫の機能に障害があり、日常生活が殆ど不可能な方。
肺炎球菌ワクチン23価;ニューモバックス
【不活化ワクチン】
肺炎球菌による感染症(肺炎 など) 標準的には65歳からですが、糖尿病、心疾患、喘息などの呼吸器疾患をお持ちの方、病気の治療で免疫抑制状態にある方などでは、60歳から接種することができます。

成人の任意接種

成人の任意接種

ワクチンの種類 予防できる主な病気 接種の推奨期間と回数
インフルエンザワクチン
【不活化ワクチン】
インフルエンザ インフルエンザワクチンの定期接種要件に該当しない方。
帯状疱疹ワクチン 【不活化ワクチン】 帯状疱疹 【帯状疱疹の予防(50歳以上)】接種回数は2回です。接種間隔は2か月(遅くとも6か月)です。筋肉注射となります。
発症予防効果は90%以上、抗体持続期間は9年以上と、生ワクチンより有効とされています。
水痘・帯状疱疹ワクチン【生ワクチン】 帯状疱疹、水痘 【帯状疱疹の予防(50歳以上)】接種回数は1回で、皮下注射です。発症予防効果は50~60%、抗体持続期間は5年程度です。
【水痘暴露後の発症予防】水痘患者と接触後、72時間以内に1回接種することで、90%程度の発症阻止率が期待できます。

新型コロナウイルス(SARS-Cov2)予防接種

以前よりコロナウイルスは変異しやすいことが知られており、2003年にSARS(重症急性呼吸器症候群)、2012年にMERS(中東呼吸器症候群)、2019年からはCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)が世界的に猛威を振るっています。

新型コロナウイルスは、発症前や無症状の方からも感染するため、ワクチン接種は非常に有効とされています。
新型コロナウイルス感染症を予防するワクチンは、生後6か月以上の方は接種できます(mRNAワクチン)。
12歳以上の方は、不活化ワクチンを選択することも可能です。

取手市での新型コロナウイルスワクチンに関する情報は、こちらをご覧下さい。

国からも、新型コロナウイルスワクチンに関する最新情報が、分かりやすく発信されています。
厚生労働省 新型コロナワクチンQ&A